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今年の残暑見舞い納涼幽霊ちゃんは、島根県に伝わる「ぶんぶん岩」のお話をモチーフに描きました。 2年続けてお色気幽霊さんだったので、今年は美少女系で…と思ったのですが、唇を紅くしたら結構色っぽくなった…。 毎年、この時期のみねの落描き帳はうらめしげな顔の女の人でいっぱいです(コワイ)。 と、そんなところで「ぶんぶん岩」のお話をひとつ。 島根県の、日原と言うところに昔、「ぶんぶん岩」と言う岩がありました。 そこは今でこそ開けていますが、昔は人通りの少ない淋しい野原だったそうです。 ある夜、糸紡ぎの手伝いに出かけた若い娘が、その岩の近くで野盗に行き会って殺されました。 以来、夜その場所を通ると、ぶん、ぶん、と糸を紡ぐ音が聞こえ、 去年も十九 今年も十九 ぶうん、ぶうん… と、ものさびしい声で歌いながら踊る娘の幽霊が出るようになったと言うことです。 この話を読んだ時、びょうびょうと風の吹く野原で白い女の子の幽霊が歌うのを思い描いて、お話としてとても切なく美しいと感じるとともに、人が人を殺めるということの恐ろしさ、残される人の悲しみを思って、これで描くのはやめよう…と最初は思いました。 でも、痛ましいと感じるならなおさら描いておこうと思って描きました。 幽霊なんて怖いに決まってるけど、このぶんぶん岩の幽霊のようなのはもっと生きたかったろうとか思うから、なるべく綺麗に描くようにしています。妖怪だともう少し気楽なんですけどね。 |